2008年6月19日木曜日

Nikon D700 フルサイズ

遂にニコンのFXフォーマットの新機種、D700について情報が出始めた。
長年F2フォトミックをガシガシ使いつづけてきた俺にとっては、80年代後半~90年代のプラボディ機は使う気がしない。去年D80を買ったときも、本来ならプラスチック製のD80など許せるはずがなく、少なくとも外装は金属製の機種が欲しかったわけだが、去年の今頃はD200がモデルチェンジが間近と言われていて、やがてやってくるはずのニコンのフルサイズ機への期待も最高潮に達していた時期だった。いずれフルサイズへ乗り換えるために、投資はなるべく控えなければならず、そういうわけで惨めながらプラスチック製のD80でがまんする決心をしたのであった。
その後、D3は発売されたが、俺には高すぎるし、でかすぎるし、オートニッコールとAiしか使う気がない俺には無用の長物である。俺が待っていたのはフルサイズの廉価版なのだ。それがやっときた。しかしD80の後、レンズやらペンFのOH代やら結構あれこれ浪費してしまい、どう考えてもすぐには手が出せない。D3はともかく、ずっと待っていた廉価版のフルサイズを指をくわえてがまんするのは…惨めだ。なんとかせねば。

35mmフィルム用一眼とボディサイズもマウントもフランジバックも同じで、フィルム用のレンズが流用できるくせに、同じ画角で使えないというAPS-Cのデジタル一眼は、フィルム時代からのユーザーには猛烈な違和感がある。たとえフィルム経験者が死に絶えたとしても、過去に生産された膨大な量のライカ版用レンズが残っている限り、APS-Cが受け入れられることは永遠にないだろう。画角の感覚が染み込んだ35mmフォーマットを、引き続きデジタルで使い続けることはフィルム世代の悲願である。
歴史的に長く続いた物の形には、歴史的な意味がある。一時隆盛を極めたハーフサイズのカメラが消滅した以降、24x36mmのフォーマットはますます社会に深く根を下ろし、写真人口の王道として脈々と歴史を刻んできた。誰もフォーマットの変更なぞ望まなかったし、APSフィルム機も普及することは無かった。一定の同じ枠で観察するからこそ時間の流れやものの変化を感じることができるのである。写真をやるものにとってフォーマットが一定であることは非常に重要であって、銀塩かデジタルかなどはむしろどうでもいいことなのだ。自らのぞんでペンなどのハーフ機を使う場合ならともかく、デジ一に関してはプロ用のハイエンド機以外は強制的にハーフサイズを選択させられるという現状は、極めて異常であり健全な進歩とは言えない。センサーサイズが小さいことには、メカ的なメリットもあるだろうが、一度廉価なFX機が普及してしまえばDXフォーマットが終焉に向かうのは必至に違いない。

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