2008年12月17日水曜日

周辺光量と像側テレセントリック性

「デジタルカメラのセンサーはその特性から、レンズを通して入ってくる光をフイルムに比べて真っ直ぐにあてる必要がある」という。フィルム用に設計された、像側テレセントリック性が考慮されていないレンズでは、撮像素子の受光部が表面のマイクロレンズよりも奥まっていることによるケラレ生じるため、激しい周辺光量落ちが起こると言う。俺にとっては周辺光量低下もレンズの大事な味のひとつで、それがフィルムの場合と同じ原因で起こるものなら受け入れられるが、デジタル固有の現象は受け入れがたい。実際のところ、D700でニッコールUD 20mm F3.5という40年近く前に作られた非常に古いレンズを使っているが、フィルムに比べて周辺光量落ちが激しいとは感じない。ホロゴン*のような光学系でもなければ、周辺光量落ちの原因は主に口径食である。口径食による周辺光量低下であれば、絞ることによって改善される。最後の写真を見ていただきたい。UD 20mm F3.5をF16まで絞って撮影したものだ。非CPUレンズのため、D700のヴィネットコントロール機能は働いていないが、このレンズの場合、絞り込むことで周辺光量を十分に確保することができ、デジタル固有の不利はないように思う。Fマウントのようにフランジバックの長い一眼レフでは、像側テレセントリック性の有無が周辺光量に及ぼす影響など無視していいのではないだろうか。*レンズ後端からフィルム面までの距離が非常に短いため、光軸からの角度と画面中央からの距離の相乗効果コサイン4乗則というらしい)で、画面周辺部で著しい光量低下が起こる

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