2010年8月27日金曜日

夏休み

夏休みがもらえた。実家は海の近くなので、少し歩けばすぐに海岸に出られる。海水浴場からは数百メートル離れていて、お店も駐車場も無い地帯なので海岸には大抵誰もいない。海岸にはナスやキュウリが漂着しているものの、ゴミはほとんどなくきれいだ。

日本海に沈む夕日が見事。

Nikon D700, AF Zoom Nikkor 80-200mm F/2.8s ED

2010年8月11日水曜日

SC72で赤外カラー

赤外撮影用のフィルターを使ってカラー画像を撮影すると、基本的には真っ赤に写る。前回使った「IR76」の場合、可視光線はほとんど透過しないので、後からグレーポイントを使ってホワイトバランスを補正しても色味がほとんど残らず、モノクロに近い画像になる。彩度を引き上げて無理矢理色味を取り出す方法も試してみたが、画像が荒れてしまい良い画像は得られなかった。他にカラー画像を作る方法としては、フィルター無しで撮影した画像のR/Gチャンネルと赤外画像をそれぞれ任意のRGBチャンネルに割り当てて合成する方法があり、この方法ではコダックのEIRフィルムに似たフォールスカラー画像を作ることができる。前回の最後にやってみたが、色合いが独特で面白い画像が得られるものの、2コマ撮影しなければならないため、時間差による影響が出てしまい、雲や葉っぱなど動いてしまう部分ではどうしても色ずれを起こしてしまう。今回使った「SC72」は、モノクロでは「IR76」ほど赤外効果は強くないが、赤外域以外の可視光線を僅かに透過させる性質があるようで、デジカメでのカラー撮影に向いている。撮影したRAWデータを通常のホワイトバランス(晴天5200K)でカラー現像してみると、画面全体がピンク色だが空や緑などには色味が感じられる。雲の部分を使ってホワイトバランスを補正すると、可視光線の色合いに似た自然な色調が得られ、モノクロの赤外画像のトーンに天然色を被せたような、ちょうど手頃な画像が出来上がる。

 
Nikon D700, Nikkor-UD Auto 20mm F3.5, SC72フィルター使用(富士フイルム)
ピクチャーコントロール[LS] ISO200 F11 10秒
ホワイトバランス:雲の部分でグレーポイント指定

ホワイトバランス補正前の画像
 ピクチャーコントロール[LS] ホワイトバランス:晴天(5200K)

 フィルター無しの通常画像
 ピクチャーコントロール[LS] ISO200 F11 1/320秒
ホワイトバランス:晴天(5200K)


Nikon D700, Nikkor-UD Auto 20mm F3.5, SC72フィルター使用(富士フイルム)
ピクチャーコントロール[LS]/[VI] ISO200/400 F11 10秒

メーカーのデータシートを見るとSC72は可視光線の内、700nm付近の赤色光については透過させるものの、IR76に比べるとカットする波長が違うだけで、カーブの具合もほとんど変わらない。透過限界波長よりもずっと波長が短い緑や青の透過率については、SC72もIR76も0%となっていて、SC72がIR76に比べ、より青や緑を透過させる性質があるなどとは書いてない。つまり、SC72を使ったデジカメ画像に青や緑が再生される理由については、はっきり説明することができない。しかしながら、今やっていることは、そもそもセンサーに赤外カットフィルターが装着されているデジカメに対して大量露光を行ない、デジカメ側のフィルターがカットしきれない僅かな漏れ光線を使って赤外画像を得ようとしているのである。この成果を期待するならば、デジカメに使われている赤外カットフィルターと同じ光学フィルターであるSC/IRフィルターもまた、大量露光によってバンド外の可視光線を一定量透過したとしても責める理由はないし、不思議にも値しないのである。SC/IRフィルターにとっては、こともあろうに赤外カットフィルターが装着されているデバイスに対して使用されるというのは想定外であるに違いない。

前回は35mmレンズとゼラチンフィルターホルダーAF-1(52mm径用)を使ったが、今回は20mmレンズなので別のホルダーを使った。フィルター径72mmの20mm広角レンズに、76mm角のゼラチンフィルターを使うのは元々無理があるのだが、77mmかぶせ式のマミヤRB用ホルダーならなんとかいけそうだったので、これを72mm→77mmのステップアップリングを使って装着して使ってみた。撮影画像を見ると両端がケラレているが、ホルダーの中枠を削ればいけそうな気がする。なお、今回は赤外指標によるピント補正を行なっていない。可視光線による像も含まれているのと、20mmレンズで絞り込んでいるせいだと思うが、ピント補正を行なった場合もあまり差はなかった。

2010年8月5日木曜日

赤外線写真

赤外線写真の画像は神秘的でもあるが、そこに写っているものが全て目に見えない光線によって結像させられたものであることを思うと、実に不気味でもある。暑い日だったが絶好の赤外線日和だった。
肉眼では眩しい空が真っ黒に落ち込み、薄い雲がはっきりと浮かび上がる。
植物は赤外線をよく反射し、皆等しくぼんやりと光る。

海面は不気味に真っ黒に写る。スローシャッターのせいで
散歩している人の姿はこんなふうに写る。

松の枝が風で揺れてフワフワしている。「F」の信号を調べてみたところ、意外と普通だった。
文字は港への船の出入りの可否を示していて、表示されるのはIn/Out/Free/Xばってんの4種類だそうだ。





 Nikon D700, Nikkor-S Auto 35mm F2.8
フジフィルム製 IR76フィルター使用 ISO1600 F8 2秒~2.5秒
ピクチャーコントロール[MC] コントラスト+2

 偽色合成(False color)
フィルターを使わずに通常撮影した画像のRed, Greenチャンネルを
それぞれGreen, Blueに変換し、赤外域の画像をRedとして重ねたもの



2010年8月1日日曜日

かんさつカメラ

子供が楽しみにしていた「かんさつカメラ」が届いた。もちろん、俺もこれが届くのを楽しみに待っていた。
「ミクロかんさつスコープ」と「夏のかんさつカメラMS(ミラクルショット)」
ちゃれんじ3年生(ベネッセ)2010年8月号 付録
カメラ仕様:27mm F8 固定焦点、シャッタースピード1/120秒
ISO400フィルムでの適正露出は晴天時の明るい日陰くらい。

35mmフィルムを使用し、クローズアップレンズによる接写機能を持ったこのカメラは、子供用の教材「ちゃれんじ3年生」(ベネッセ)の付録である。前号の付録である「ミクロかんさつスコープ」と連結し、30倍のマクロ撮影をおこなうことができるほか、カメラにはクローズアップレンズや、きらきらフィルター(いわゆるクロスフィルター)、ぶんしんフィルター(いわゆるミラージュフィルター)がターレット式で内蔵されていて、各種の面白写真を撮ることができる。クローズアップレンズ使用時は、内蔵の接写枠(黄色い枠)を本体全面に引き出して、ピントと構図を合わせることができる。レンズバリアもちゃんと内蔵しており、これが同軸でフラッシュスイッチにもなっている。ほかにも大変凝った造りが見られ、クローズアップレンズ使用時にはファインダーとフラッシュに自動的にマスクが掛かるようになっていたり、鏡筒前部にはカラーフィルターを挿入するためのスリットまで設けられている。なお、カラーフィルターは付属しておらず、色セロハンや透明おりがみなどによる自作を想定しているようである。ミクロかんさつスコープの対物側には2灯のLED照明が内蔵されており手動スイッチで点灯できるほか、接眼部のバヨネットをかんさつカメラと連結することで点灯状態が保持される仕組みになっている。最近では35mmフィルムが場合によっては入手しづらいのを考慮してか、親切にも12枚撮りのフィルム(フジカラー SUPERIA PREMIUM 400)が付属していた。付属の説明書(こうりゃくブック)には「おうちのかたへ」と題し、フィルムの装填方法が写真入りで懇切丁寧に解説されている。小学校3年生のご父兄の方々ならまだまだかつてのフィルム世代だとは思うが、この10年デジカメや写ルンですしか使ったことがなく、フィルムの入れ方など忘れてしまったという方も多いのかも知れない。「こうりゃくブック」を見れば子供でも自分でフィルムを入れられるように思えるが、俺がやりたいのがひしひしと伝わったらしい。そっとその役目を俺に譲ってくれた。よし。フィルムが入ったぞ。さあ撮って来い。

空を撮ったという。

27mm F8レンズの中心部はシャープ。
周辺光量落ちも味がある。いわゆるトンネル効果。

貝だ。 クローズアップレンズと接写枠を使用している。

なぜかぶんしんモードで撮影されているベランダで育成中のオクラ。

ミクロかんさつスコープ(30倍)使用。俺にはこれが何だかわからない。
撮影者に尋ねたところ、ティッシュペーパーの表面だという。
 フジカラー SUPERIA PREMIUM 400


この「かんさつカメラ」をググってみると、それ自体は数年前から存在するようだが、多くの型式が存在するようで、その全貌は不明である。確認できた範囲では、ちゃれんじ2005年4月号の「しぜんかんさつカメラ」(白ボディ/フラッシュ非搭載/露出目安板/クローズアップレンズ内蔵)が最初期のものと思われる。この次モデルと思われる「かんさつカメラ」(年式不明・薄緑色ボディ)では、接写スタンド・フラッシュ・かぶせ式特殊効果フィルター(ファインダーメガネ付き)が追加されているようだ。さらに次モデルと思われる「夏のかんさつカメラミニトランク」(年式不明・青ボディ)では、クローズアップレンズ・きらきら・ぶんしんフィルターが内蔵ターレット式になり、撮影時にフィルター効果を確認できるファインダーメガネは廃止になっている模様。「ミクロかんさつスコープ」と結合して30倍の高倍率マクロ撮影ができるという現在の仕様になったのは、「夏のかんさつカメラNEO」(2007年)と見られる。2008年モデル(名称不明)は現在のものとは青と黄の配色が逆らしく、2009年モデル(SS)と2010年モデル(MS)は画像を見る限り同一製品のようである。歴代のかんさつカメラはその独特の仕様からベネッセのオリジナル品と思われ、これに似た仕様のトイカメは市場では見かけない。なお、「ミクロかんさつスコープ」については似た商品が他ルートでも販売されている模様。同じ金型から作られたと思われるほぼ同型の商品をKenkoにて取り扱っているのを今年見かけた。