2012年5月8日火曜日

D800EのAF問題を検証 その1

D800EでAF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDを使っているときに、24mm側で左端のフォーカスポイントを使うとかなり後ピンになるのは実は俺も気づいていた。元々像面湾曲が顕著なレンズなので、端のフォーカスポイントを使った場合のAF精度にはあまり期待していなかった。今、この件が日本や海外のユーザーサイトで少々問題になっているようなので、自分でもちょっとテストしてみた。これまで使ってきたD700では同様の問題はなく、端のフォーカスポイントを使えば像面湾曲相応の動作をし、フォーカスポイント位置に相当する部分ではおおむねピントが合っていた。参考:以前の記事へのリンク

1m先の壁に紙を貼って撮影。紙の並びがちょっと右上がりに見えるが、壁との平行性は巻尺で測ったので大丈夫なはず。

AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED, Nikon D800E
24mm F2.8
ファインダーでの位相差AF
赤枠は撮影時のフォーカスポイントを示す。

AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDは像面湾曲が顕著で、絞りも解放なのもあって中央と周辺ではかなりのピント差がある。位相差AFで左端のフォーカスポイントを使った場合(上の画像中段)、フォーカスポイントの位置も含め、画像の中央や右側もひどくピンボケになる。


AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED, Nikon D800E
24mm F2.8
ライブビューでのコントラストAF
赤枠はファインダーのフォーカスポイントと同じ位置をライブビューで選択。

ライブビューのコントラストAFの場合、像面湾曲や片ボケ(?)により画像の中央や右側とのピント差はあるが、フォーカスポイントの位置では一応ピントが合っている。


AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED, Nikon D800E
24mm F2.8
ファインダーでの位相差AF
赤枠は撮影時のフォーカスポイントを示す。

AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G EDは、中央と周辺でのピント差が元々少ない。位相差AFでは左右のフォーカスポイントどちらとも、中央のフォーカスポイントに比べると精度は良くない。

AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED, Nikon D800E
24mm F2.8
ライブビューでのコントラストAF
赤枠はファインダーのフォーカスポイントと同じ位置をライブビューで選択。

AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDと同じく、ライブビューのコントラストAFの場合にはおおむねフォーカスポイント位置の画像はピントは合っているようには見えるが、ライブビューで位相差の右端に相当する位置でフォーカスしたもの(上の画像の下段右)はピンボケに見える。

同じフォーカスポイントでもレンズによって挙動が異なるのはおそらく、各レンズの諸収差とAFシステムとの相性によるものではないだろうか。ユーザーサイトなどで報告されている不具合のあるレンズはいずれも像面湾曲気になるものが多いように思う。あとこれはちょっとまだ要検証だが、試しに目を凝らしてマット面で手動でピントを合わせてみたところ、位相差AFと似た結果になった。そうなる根拠については何も推測することはできないが、いずれにせよ、「左端のフォーカスポイントで後ピンになる」という点は共通しているようで、D800/D800Eボディの製造上の何かしらの欠陥が考えられる。
本件は次の記事 D800EのAF問題を検証 その2 へ続く

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