2013年10月7日月曜日

Ai Nikkor ED 500mm F4P(IF) vs Reflex-Nikkor 500mm F8 <New>

週末だ。あまり天気は良く無いが、入手したばかりのAi Nikkor ED 500mm F4P(IF)のテストに早速出かけよう。大きなアルミケースと三脚をママチャリのかごに押し込んでヨロヨロと出発。せっかくなので比較用にReflex-Nikkor 500mm F8 <New>も持っていく。重い。

Ai Nikkor ED 500mm F4P(IF)
(1988-2002)
 
Reflex-Nikkor 500mm F8 <New>
(1984-2005)
 
俺がゴーヨンピーと呼ばれるこのレンズに興味を持ったのは、過去に新旧二本のReflex-Nikkor 500mmを使ってみた経験からだった。500mmの超望遠レンズは、肉眼では捉えることが出来ない遥か遠方の被写体を目前に引き寄せ、極端な圧縮効果で分厚い大気や立ち昇る陽炎などが強調された独特で不思議な世界を描き出す。ミラーレンズにはミラーレンズの面白さがあり、神秘的なリングボケや驚異的なコンパクトさ、最近接撮影距離の短さなど、楽しい特徴がいくつもある。しかしながら、ミラーレンズにはいかんともしがたい大きな欠点があった。つまりはシャープネスだ。ミラーレンズは原理的に色収差が無く、光学・機械部品の製造精度は通常のレンズと同じであるからして、うまく使えば通常の屈折式レンズと同等のシャープネスが得られ、それが出来ないのは使いこなしに原因があるのだ、という意見も見かける。そう思っていた時期が俺にもあった。しかしミラーレンズを実際に手に入れて使ったことのある人ならお分かりだと思う。どんなに工夫を重ねても、結局はあまりシャープには写らないのだ。その原理に反して。 さて、そうなると通常の屈折式レンズがどのように写るのかが気になって気になって仕方がない。だが、大砲のような大口径ED超望遠レンズはとんでもなく高価だ。現行品はもちろんのこと、比較的安く手に入るMF時代の中古品であっても、鳥や飛行機などの飛び物が趣味というわけでもない俺のような者が、面白半分に手が出せるような代物ではない。でも欲しい。あの大砲みたいなやつを三脚に乗っけて弄りまわしてみたい。巨大な前玉が紡ぎだす画面いっぱいの鮮鋭な画像が見たい。最近久しぶりにオークションページを見ていたら手頃なものが出ているではないか。でもAi Nikkor ED 500mm F4P(IF)を最近のボディで使用したサンプル画像はあまり見つからず、D800Eで使用した場合の画質がまったくもって不明だ。MF時代の大口径ED超望遠レンズの実力は一体どのくらいなのだろう。少なくとも同時代のミラーレンズよりはシャープに写るとしたら、果たしてどのくらいなんだろうか。気になる。これはもう、自分で確かめるしかない、そう思った。
おっと、話がそれた。目的地に到着した。

※画像クリックでオリジナルサイズ(7360x4912 pix)の画像を表示します。

Ai Nikkor ED 500mm F4P(IF) F4

Ai Nikkor ED 500mm F4P(IF) F5.6

Ai Nikkor ED 500mm F4P(IF) F8

Ai Nikkor ED 500mm F4P(IF) F11
Ai Nikkor ED 500mm F4P(IF) F16

Reflex-Nikkor 500mm F8<New>

共通:Nikon D800E  ISO200
14bitロスレス圧縮RAW/Capture NX2
ピクチャーコントロール[SD]スタンダード
WB=晴天 
ピクチャーコントロールの輪郭強調=0, NR=なし
ハイパス:0.7px、アンシャープマスク:半径=2% 適用量=20%
灯台までの距離:約1210m
背後のTRPの建物までの距離:約1680m

いずれもライブビューで拡大して精一杯ピントを合わせ、ミラーアップして撮影したものだ。雲行きが複雑で露出が安定しない。ガスもかかっていて遠方はあまりクリアーに見えない状況なので、これが全てとは言えない。また、ピントを合わせた中央の灯台よりも、背後の建物は地図上では470メートル程後方にあり、周辺画質についてもこれが正確なものではないと考えた方がいい。次回は別の場所へ行って、もうちょっと良い画像を撮ってこようと思う。

気になるAi Nikkor ED 500mm F4P(IF) と Reflex-Nikkor 500mm F8 <New>の差だが、F8同士の画像を見てみると分かりやすい。



Ai Nikkor ED 500mm F4P(IF)のF5.6~F11では正面の赤い灯台に色モアレが生じていて、F16まで絞った画像ではこの灯台のモアレが消えている。Reflex-Nikkor 500mm F8 <New>は解像しきれていないようで、このモアレが生じていない。

Reflex-Nikkor 500mm F8 <New>の画像は、ソフトフォーカスのようにふんわりしていてコントラストが低い。だが、細部をよく見ると像の芯は確認できるので、これはシャープのかけ方次第ではもっと解像感が出る気がする。下の画像は、Reflex-Nikkor 500mm F8 <New>のシャープを調整してみたものだ。ピクセル等倍表示では少しノイジーだが50%くらいで縮小表示すると、もやっとした感じが減ってかなり良い感じになる。

※画像クリックでオリジナルサイズ(7360x4912 pix)の画像を表示します。 

Reflex-Nikkor 500mm F8 <New>
ハイパス:1.43px、アンシャープマスク:半径=7% 適用量=25%

左はReflex-Nikkor 500mm F8 <New> シャープ調整後
右はAi Nikkor ED 500mm F4P(IF)で上と同じ画像



おまけ:Ai Nikkor ED 500mm F4P(IF) の三脚座にはネジ穴が前後に2個ある。マンフロットの410PLプレートをくっつける際に、デジスコドットコムのネジを+1本調達し、ネジ2本で固定した。マンフロットのネジよりもちょっと傘が大きいが一応使える。


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